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「舞台は夢」作者編

新国立劇場で「舞台は夢」というコルネイユのコメディを見てきました。
コルネイユって知ってます?
17世紀フランスの劇作家といえば、
コルネイユ・モリエール・ラシーヌ。
…と、学生のとき、習いました。
「フランス演劇概論」というこの授業はものすごくおもしろくて、
その時の教科書は、今も本棚にあります。
最近ふと思ったのですが、
私の演劇への傾倒のベースは
このときに見知ったギリシア演劇、フランス演劇なのかもしれません。
でも、
その時もラシーヌの悲劇「フェードル」とかは読んだけど、
コルネイユはやらなかったなー。
(彼については、「ル・シッド」論争という文学的な事件について学んだ)
だから、新国立劇場でコルネイユをやるって聞いたときは、
ものすごくマイナーなことやるなーって思いました。
同じころの古典でも、
イギリスのシェイクスピアほど有名じゃないですよね、
日本では。
そんな経緯がありまして
私の中でも「コルネイユって、どんな感じ?」があり、
切符を買いました。
もちろん
堤真一、段田安則、秋山奈津子、高田聖子というキャストも魅力的。
そして
新国立劇場の芸術監督である鵜山さんが、
フランスの古典をどんなふうに料理するのか??
結論
まず、舞台装置に感激。
新国立劇場の中劇場は、横に長くて見切れが多く、
あまり評判がよくないハコなのですが、
思い切った舞台の移動と照明で、
ものすごく斬新、新鮮。
いわゆる円形劇場に仕立てて
観客は四方から取り囲むように舞台を注視するのです。
最近では
シアターコクーンの「人形の家」がそうでしたね。
あのビッグバージョン、と思ってください。
そこにブルーの照明がゆらゆら、ゆらゆら。
「なんだなんだなんだ? シルク・ド・ソレイユか?」みたいな。
「古典」を観に行くんだ、という思い込みを
ばっさり捨てさせてくれます。
コルネイユの時代は日本でいえば徳川家光時代。
日本の演劇が「かわらもの」と蔑まれたのと同じく
海の向こうのおフランスでも、
「芝居は悪所」とされていた。
「悪所」で繰り広げられる「劇」といえば「笑劇(ファルス)」。
悪ふざけとシモネタ爆発。
そんな「演劇」を、日常の一場面にかもし出される
普通の喜怒哀楽を抽出したものにブラッシュアップしたのが
コルネイユだったんです。
とはいえ、
「舞台は夢」は、コルネイユが大家になってからの作品ではなく、
初期の作品であり、
そうですねー、いわば今は重鎮の野田さんとか鴻上さんとかも、
学生のときは思いっきりハジケタものを書いていたじゃないですか。
そんな感じ?
だから、小劇場的・実験演劇的な舞台装置というのは
非常に合っているのだと思うのです。
…ということで、
中身についてはまた明日。

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