「ザ・マジックアワー」の封切りに合わせて、
テレビ・ラジオなどに出まくっている三谷幸喜氏。
小堺くんの「ごきげんよう!」で言っていたが、159本も出たそう。
(あと1本出て、160本にしたい、それも「いいとも」に出て、というようなことを言っていた)
日曜は中山秀征の「ウチくる?」に出ていました。
途中から見たのですが、
ビックリしたことがいくつかありました。
1.小学校の時に、ヨーロッパへ旅行している。
2.しかも、家を出るところから、8ミリフィルムでそれを撮影している! お坊ちゃんだ~!
3.家を出る自分を後ろから映させ、自分はチャップリンのマネをして歩いていく。
4.一緒に行くお母さんも、チャップリンのマネをして歩く。
5.ロンドンでは、道行く人に故意的にからんだり、誰もいない場所を使ったりして
自分が主役となり、いろいろな「シーン」を撮っている。
6.彫刻の前でお母さんに彫刻のマネをさせて撮っている。
もちろん、お金持ちだ、とか、海外旅行に行ってるっていうこともあるけど、
それより何より、
ふつう「旅行で撮影」といったら風景とか、「事実」を撮るでしょうが!
ところが彼は、既に構図を演出してフィクションを撮っている! これが1つ目の衝撃。
さらにそこにはお母様が出演していることが2つ目の衝撃。
ふつう、
「おかあさん、そこに立って手を大きく広げて…」などと注文されたら、
「何言ってるの! バカバカしい! やめなさい!」とたしなめるもの。
ところがこの方、
「はーい! これでいい? それとも、こっちのポーズがいいかしらー??」とばかりに、
自分も楽しんじゃう人なのだ。
三谷幸喜にとって、最初の女優はお母様だったってわけ。
かなりユニークな感性の持ち主(昔の言葉で言えば、「変わり者」とも言う)だった彼が、
天真爛漫、まっすぐに育ったのは、
こういうお母様がいらしたからだなー、とつくづく思った。
彼の高校時代の恩師という人も出てきたが、
この方がまた、大物、というか天衣無縫、というか。
高校の教師とは思えない、ある意味三谷さんから見ても「ユニーク」な方で、
豪放磊落なこの先生の前では、
三谷幸喜のやることなんか、小せぇ小せぇ、
彼はきっと「さすがだ、オトナはすごい、もっとガンバらないと!」と
ますますイタズラ(?)に磨きをかけるべく、ファイトを燃やしたことだろう。
こうして喜劇作家となった三谷氏のイマジネーションを
さらに大きく膨らます役を担っている一人が、
女優の戸田恵子。
「一番シリアスな場面で、一番オカシイところにホクロをつけてください」と頼むと、
毎回ホクロのつけ位置を変えながら、最後は鼻のてっぺんにつけた、という彼女。
あるいは、こんなことも。
三谷「ボクが『この舞台で、彼女に何かしてもらいたいなー』と思うとします。
たとえば、牛乳を鼻から出す、とか。
すると、ボクは彼女に電話するんです。『戸田さんって、鼻から牛乳出せます?』」
戸田「『必要があるなら、出しますよ』って、そんな感じで。『たしか、出せたと思います』と。
『出すとしたらそれはサラっとした感じで? それとも練乳系がお望みですか?』とか、
まあ、そこからはいろいろ研究するわけですけどね」
そう、戸田さん、かつてのお母様とおんなじ。
三谷さんのイマジネーションの、その先を一緒に考えてくれてる!
うらやましい次第です。
もちろん、三谷さんはすごい人。
でも、彼を取り巻く人々が彼を理解し、支え、彼の上を行くユニークさで、
そう、まるで彼の作る喜劇の住人のようにふるまっている(それも自然体で)からこそ、
三谷ワールドって、ステキなんだな、とつくづく思った。
やっぱり、人間って一人で生きていけるわけじゃないんですね。
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