2/19、モダンスイマーズの「凡骨タウン」を見てきた。
モダンスイマーズに、
萩原聖人、緒川たまき、千葉哲也の客演。
作・演出は蓬莱竜太。
「まほろば」で岸田國士戯曲賞をとった男であり、
映画「ガチ★ボーイ」の前身である「五十嵐伝」を書いた男でもある。
モダンスイマーズの最近作「夜光ホテル」が好評だったことは知っていたが、
萩原聖人ってどうよ?っていう思いがあって、
私はあまり乗り気ではなかった。
でも他の作品を観に東京芸術劇場に立ち寄った際、
もらったチラシの中にこの「凡骨タウン」を見つけたとき、
私が注目したのは、その萩原聖人だった。
短時間で私を変えたのは、1冊の本だ。
神山典士の「生きること演じること」に、
萩原聖人が取り上げられているのを読んだからである。
2001年、
蜷川幸雄の「真情あふるる軽薄さ2001」の主役に臨んだ萩原は、
あと一週間で初日というタイミングで体調不良を理由に降板。
舞台は急遽高橋洋を主役に立てて幕を開けた。
そのとき神山は萩原への密着という形で取材しており、
結果的に降板劇の舞台裏を見ることとなる。
萩原の体調がいかに切羽詰っていたか、
それを圧しても舞台に賭けようと最後まで葛藤した萩原の思い、
そして苛酷な運命。
私はこのとき、どちらかというと
ようやく主役がめぐってきた高橋のほうに感情移入していたから、
失礼な話だが、降板した萩原のことなど、
「アイドルが無理して舞台やろうとしたのが間違いじゃない?」
くらいにしか受け止めていなかった。
それこそ、その「軽薄さ」を、
神山のルポはぶちのめしたのである。
俳優としての自分の道をみつめる萩原の殺気のようなものを、
私は神山の文章から感じた。
あの降板から、もう10年が経った。
今、萩原はどうしているのだろう?
彼はどんなふうに、演劇と向き合っているのだろう?
それを知りたくて、チケットをとった。
ラッキーなことに、最前列が1枚、残っていた。
2/19、
私は「10年後の萩原聖人」を、この目で確認してきた。
「凡骨タウン」のレビューは、また明日。
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