大地康雄の柴田勝家が死んでしまってからというもの、
日曜夜といえば大河ドラマ「江(ごう)」ではなく、
日曜劇場「仁(JIN)」を連想する今日このごろ。
とはいえ、時々は「江」も見ています。
夕べとうとう茶々も母となり、淀城の主ともなったわけですが、
その2回ほど前、
茶々がどうやって秀吉の思いを受け止めるか、という下りのハイライトが
「お前は仇じゃ!」
……といいつつ秀吉にくらいつくところであります。
まあ、かなりしつこかったというか、
秀吉、もうあきらめたって言ってるのに
「どうして諦めんのよ! あたしのことそれくらいしか思ってなかったの?」
と逆切れする始末で、
ちょっとどうかなって思ったんですが、
そのあとですね。
秀吉が「仇だからこそ、あなたを命がけでお守りいたします」と
跪きながら腰を抱いて上目遣いで茶々をみつめるところ。
これ、「リチャード三世」だわ。
リチャード三世、ヘンリー六世を討つ。
ヘンリー六世の棺の前のアン。
アンは夫のエドワード皇太子を、既にリチャードに殺されている。
この未亡人のアンに対し、
リチャードが求愛する場面である。
秀吉はリチャードみたいに「お前のために殺した」とは言わないが、
「あんたのことは昔から好きだった」は同じ。
下手に出ながらも権威とねちっこさでからめとるように、
茶々を獲得していく。
茶々が「お前は仇じゃ」とプライドを捨てずに叫びながらも、
秀吉の軍門に下っていくところは、
アンの中の矛盾そのもの。
シェイクスピアが、棺の前でのほんの数分で女を心変わりさせるのに対し、
大河は随分と時間をかけてここまでやってくれました。
シェイクスピアは3時間、大河は1年50時間って、この差でもありますね。
主人公の江いえば、甥っ子の誕生に
相変わらず「やった、やった~!」と秀吉と手をとりあってぴょんぴょんはねる、
斬新すぎる大河ドラマではあります。
来週から、秀忠役でゲゲゲのおさむくんが登場します。
新しい風、吹くんでしょうか?
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「お前は仇じゃ」@宮沢茶々
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