今回、三代目中村又五郎、四代目中村歌昇の襲名披露公演のしめくくりが
松竹座で行われた。
夜の部の「口上」、
幕が上がると、そこには早々たるメンバーが所狭しと並ぶ。
座頭の中村吉衛門、兄の歌六、次男種之助(と当人の2人)は当然のことながら、
中村梅玉(高砂屋)、片岡仁左衛門、我當、孝太郎、進之介(松嶋屋)、
中村魁春、東蔵(加賀屋)、中村芝雀(京屋)、
中村錦之助(萬屋)、そして市川染五郎(高麗屋)の15人。
同月、新橋演舞場の市川猿之助・猿翁・中車襲名披露の口上は、
当事者である澤瀉屋の猿之助・中車・團子のほかは
市川宗家の團十郎、海老蔵の2人だけ。
猿翁と父親の段四郎が健康上の理由から不在なのはしかたがないし、
同じ会場での2ヵ月連続であること、
そもそも、演目が演目だけに共演がしにくいことを差し引いたとしても、
この違いはあまりに強烈であった。
松竹座の口上でわかるのは、
先代の又五郎という人がいかに面倒見のよい人であったかということである。
そして、昨日も書いたが、その「又五郎」を継ぐにふさわしい人柄とニンが
二代目歌昇に備わっていた、ということである。
そして、
長い長い歌舞伎の歴史の中で、そういう由緒ある名前を継ぎ、
歌舞伎の歴史の中に連なることの重みと晴れがましさを、
この「口上」という一幕の見世物が私たちに実感させてくれるのだ、と
改めて思った次第。
新橋演舞場の口上も、人数こそ多くはなかったが、
門弟に当たる澤瀉屋の襲名披露に、市川宗家が列するということ自体ないことで、
これはこれで晴れがましい口上だ。
そう考えると、「香川照之」が「市川中車」になる、ということが、
どれだけの重みを持つのかもまた、想像されるというものである。
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中村又五郎・歌昇襲名披露@松竹座(2)口上
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